▶令和8年度薬物乱用防止講演会 ■ 日時:令和8年5月14日(木) 13:00~16:15 ■ 会場:横浜市開港記念会館 (横浜市中区本町1-6) ■ 第1部 13:00~14:30 ・演題:オーバードーズ、それは言葉にならない『助けて』~“やめさせる”前にできること ・講師:地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立精神医療センター 医長 西村康平氏 ・感想:講演を受講した感想を書きます。 近年、覚醒剤の検挙者数は減少傾向にある一方で、大麻の使用や市販薬などによるオーバードーズは増加していると言われています。これらは比較的安価で入手しやすく、若年層にも広がっていることが問題視されています。 こうした薬物使用の背景には、習慣化した自傷行為が関係している場合があります。自傷行為は、自殺願望とは必ずしも同じではありません。むしろ「死にたい」というより、「今の苦しさから逃れたい」「どうにかしたい」という切実な思いが根底にあることが少なくありません。 その背景には、発達過程での傷つき体験や、人間関係における不信感が存在することがあります。人に裏切られた経験から「誰にも頼れない」と感じ、自分だけで苦しみを抱え込んでしまう。そして、その苦痛を和らげる手段として薬物や自傷行為に依存していくのです。人は裏切ることがあっても、薬や自傷行為は自分を裏切らない――そのような屈折した安心感を持ってしまう場合もあります。 そのため、回復支援においては、単なる説教や禁止だけでは十分な効果を期待できません。「薬物は絶対にダメだ」と繰り返すだけでは、本人の孤独や苦しみには届かないことがあります。まず必要なのは、本人の気持ちや背景を理解し、その苦しみに寄り添うことです。本人の思いを受け止め、時には代弁しながら対話を重ねることで、自ら「やめたい」と思えるよう支援していくことが大切です。 また、本人の感情や行動を頭ごなしに叱責したり、過度に管理したりすることは、かえって反発や孤立を深める場合があります。見守りながら自立を促し、本人自身が現実を受け止め、自らの課題として向き合えるよう支援していく姿勢が求められます。最終的には、「自分で決める」という主体的な決断が回復への大きな力になります。 さらに、支援者は、対象者がなぜオーバードーズに至ったのか、その経緯や背景を丁寧に理解する必要がありま...