第51回(令和8年度)神奈川県消防救助技術指導会観戦記 厚木で開催された神奈川県消防救助技術指導会を観戦する機会がありましたので行ってきました。 【第51回(令和8年度)神奈川県消防救助技術指導会】 ・日程:令和8年6月17日 水曜日 ・時間:午前9時30分~午後4時15分 ・場所:神奈川県総合防災センター 神奈川県消防学校(厚木市下津古久280) 海老名から小田急線に乗り、愛甲石田駅で下車。会場の神奈川県総合防災センターまでは徒歩で30分ほどです。開会式が始まる9時30分少し前に神奈川県総合防災センターへ到着しました。目の前には巨大な施設がそびえ立っていましたが、敷地が広いため会場までさらに歩かなければなりませんでした。 開会式は厳粛な雰囲気の中で行われ、整然とした隊員たちのきびきびした行動に清々しさを感じました。その姿を見ていると、中学や高校の体育祭の開会式を思い出しました。しかし、その規律や緊張感は比べものにならないほどで、人命を預かる職業の重みを感じさせるものでした。 競技はスピードと正確さによって判定されます。事前説明の中で、「審判の判定は絶対であり、一度下された判定は覆らない」と説明されました。その厳格さに、私はどこか武士道にも通じる精神を感じました。 訓練は陸上の部と水上の部に分かれており、さらに複数の種目があります。私は陸上の部の「引揚救助」を中心に見学しました。陸上の訓練はA塔、B塔、C塔という三つの塔を使用して行われます。引揚救助は最も高いA塔で実施され、負傷者を救助し、塔の上まで引き上げる速さと正確さを競います。A塔は地上約18メートルもあり、一般の人なら登るだけで足がすくんでしまう高さです。 ところが隊員たちは、ロープを巧みに操りながら迷いなく行動していきます。その動きは無駄がなく、まるでオリンピックに出場するアスリートを見ているかのようでした。日頃の厳しい訓練の積み重ねがあってこその技術なのだと実感しました。訓練は午後2時頃まで続きましたが、私は午前中で会場を後にしました。 開会式では、この指導会が神奈川県内の消防本部を代表する救助隊員たちが一堂に会し、日頃鍛えた技術を競い合う場であること、そして救助活動に不可欠な体力・精神力・技術力を養うとともに、各消防本部間の連帯意識を高めることを目的としていると説明されました。また、殉職され...
▶令和8年度薬物乱用防止講演会 ■ 日時:令和8年5月14日(木) 13:00~16:15 ■ 会場:横浜市開港記念会館 (横浜市中区本町1-6) ■ 第1部 13:00~14:30 ・演題:オーバードーズ、それは言葉にならない『助けて』~“やめさせる”前にできること ・講師:地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立精神医療センター 医長 西村康平氏 ・感想:講演を受講した感想を書きます。 近年、覚醒剤の検挙者数は減少傾向にある一方で、大麻の使用や市販薬などによるオーバードーズは増加していると言われています。これらは比較的安価で入手しやすく、若年層にも広がっていることが問題視されています。 こうした薬物使用の背景には、習慣化した自傷行為が関係している場合があります。自傷行為は、自殺願望とは必ずしも同じではありません。むしろ「死にたい」というより、「今の苦しさから逃れたい」「どうにかしたい」という切実な思いが根底にあることが少なくありません。 その背景には、発達過程での傷つき体験や、人間関係における不信感が存在することがあります。人に裏切られた経験から「誰にも頼れない」と感じ、自分だけで苦しみを抱え込んでしまう。そして、その苦痛を和らげる手段として薬物や自傷行為に依存していくのです。人は裏切ることがあっても、薬や自傷行為は自分を裏切らない――そのような屈折した安心感を持ってしまう場合もあります。 そのため、回復支援においては、単なる説教や禁止だけでは十分な効果を期待できません。「薬物は絶対にダメだ」と繰り返すだけでは、本人の孤独や苦しみには届かないことがあります。まず必要なのは、本人の気持ちや背景を理解し、その苦しみに寄り添うことです。本人の思いを受け止め、時には代弁しながら対話を重ねることで、自ら「やめたい」と思えるよう支援していくことが大切です。 また、本人の感情や行動を頭ごなしに叱責したり、過度に管理したりすることは、かえって反発や孤立を深める場合があります。見守りながら自立を促し、本人自身が現実を受け止め、自らの課題として向き合えるよう支援していく姿勢が求められます。最終的には、「自分で決める」という主体的な決断が回復への大きな力になります。 さらに、支援者は、対象者がなぜオーバードーズに至ったのか、その経緯や背景を丁寧に理解する必要がありま...