2019年12月19日木曜日

薬物依存を減らすために私たちが出来ること

2019年12月16日
薬物依存を減らすために私たちが出来ること 廣瀬隆夫

芹が谷の神奈川県立精神医療センターで薬物依存治療の最前線についてお話をお聞きしましたので感想をまとめました。

◆ ◆ ◆

依存症になる人は、自分のやっていることを認めたがらない。こんなことをやっていたらダメだということは自分でも十分承知している。でも、彼らは時間をかけて改善しようというプランが描けない。ダメな自分から逃げるために薬物を続けている。依存症になる人は、心の深いところに大きな傷を負っている。薬物やアルコール、ギャンブル、ゲームに没頭している間は、傷が原因の悩みから開放される。悩みを忘れるために何かにのめり込む。それが過度に進むと依存症になる。

麻薬などに手を出す人は意志が弱いと言われているが一概にそうとも言えない。更生施設で薬物に手を出さないようにもっと意志を強く持ちなさいと教育してもあまり効果は期待できない。更生を支援する側も根本的なものを治さなければ依存症は治らないということを理解していない。麻薬依存は、刑を科して罰しても治りにくい病気と考えるべきだ。根本原因を掘り起こして、それを根絶しない限り繰り返すだけである。臭いものにはフタをするだけではなく元を絶たなければ臭いは無くならないということだ。

スマープという治療法がある。SMARPP(スマープ、Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program:芹が谷覚せい剤依存再発防止プログラム)とは、神奈川県立精神医療センターの芹が谷病院にて開発された認知行動療法の志向をもつ外来の治療プログラムである。アメリカの西海岸のマトリックス研究所のマトリックス・モデルに準拠しており、患者に覚醒剤への薬物依存症に対する知識をつけ、薬物の渇望がどう起こり、それに対していかに対処行動を身につけるかといった、具体的な対処スキルの修得に重点が置かれている。また、正直に過去のプライベートな体験を話すことを回復の糸口とするため情報を治療以外に公開しないことが前提になっている。

国際的には刑罰ではなく依存症の治療をする政策が主流である。日本は、覚せい剤乱用が50年も続いている世界的に稀有な国である。日本では、薬物依存症が治療されないため薬物犯罪は、男子62.1%といった高い再犯率で推移しており、治療より司法に大きな費用をかけていることが原因と考えられる。日本の標準的な精神科医は、覚醒剤によって精神症状が表れた場合のみしか介入せず、その根本にある依存症を専門とする医者は少なかった。
日本では薬物依存症になった者は、民間の回復施設などを利用する以外に治療という選択肢がない状況にあった。薬物犯罪の刑を一部、執行猶予する法案が通ったこともあって、治療体制と治療プログラムの整備が求められていた。2015年には、それまでの8都県だった治療プログラムの提供施設を、日本全国69カ所の精神保健福祉センターに拡大することを決定した。2016(平成28)年度の診療報酬の制度の改定にて、SMARPPは依存症集団療法として診療報酬加算が認められた。(スマープ(Wikipedia)より引用)

依存症になる人は、他人への依存心が強いとは限らない。むしろ、自分で何でも解決したいと思っている人が多い。嵐で不意に海に投げ込まれた時、自分で見つけた薬物という浮き輪にしがみ付いているのが依存症患者の姿である。そのまま漂流が続く限り依存も続くのである。誰にも助けを求めず、自分一人で浮き輪というモノで解決したいと思っている。海で遭難した時には、ジタバタしないで力を抜いて海面に浮いて通りかかる船を見つけて助けを求めることが最善の策なのである。この助け船が医療機関であり専門医である。

依存症の人は、子どもの頃に親や同級生からいじめや虐待を受けていることが多い。虐待と依存症の相関は大きい。成長期に親の愛を受けないで育った人が依存症になりやすい。麻薬依存などの人は、基本的に他人を信頼していない。腹を割った話ができる仲間がいなくて孤立して硬い殻にとじこもっている人が多い。このような人たちが、本音を喋り始めたら快方に向かっている証拠である。そのような時には褒めてやることが重要である。何かに依存することは誰にでもある。朝食にコーヒーを飲まなければ落ち着かないというのも一つの依存である。それで生活に支障が出なくて健康な生活を送ることができれば何の問題もない。依存が原因で健康を損ねたりトラブルを起こすようになったときに依存症と呼ばれるようになる。

麻薬に手を出すと犯罪者として摘発されて罰せられる。特に芸能人は、完膚なきまでにバッシングされる。薬物を始めるきっかけは、疲れを癒すとか、睡眠を得るとか、悩みを忘れるとか自分の問題を解消するために始めることが多い。決して人をあやめるとか、窃盗をするとか、反社会的行為を行うためとかではない。薬物依存の人は、むしろ、薬物による犠牲者ではないかと思う。薬物の売買をしている業者にもっと重い刑を科すべきだと思う。薬物をビジネスにする売人がいる限り薬物依存はなくならない。

薬物依存の根本に幼児期の虐待が潜んでいることも大きな問題である。いじめや虐待が減れば薬物依存も引きこもりも減る。しかし、何で虐待が起こるのかは原因がわからない。虐待は、先進国と呼ばれる文明が進んだ、どちらかと言えば裕福な国で増えている。人間は何なのか、文明の進歩とは何なのか、私たちは何のために生きているのかをもう一度考え直す必要があると思っている。

2019年10月16日水曜日

地球温暖化に無関心な風潮に危機感

ニューヨークで行われた国連の温暖化対策サミットでスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさんが各国の代表を前に地球温暖化について訴えました。涙ながらに世界のリーダーたちに疑問を投げかける姿に胸を打たれました。「世界のリーダーたちは、多くの人が温暖化で苦しんでいることや生態系が崩壊しつつあることを知っているのに、金儲けや経済成長という目先の利益の話ばかりして、子どもたちの夢を奪ってる」という内容でした。

SNS
などで、16歳の子どもに何が分かるのか?とか、大人に操られているのではないか?とか、原発推進のプロパガンダではなのか?などという非難の声が上がっていました。米国のトランプ大統領もロシアのプーチン大統領も全く相手にしようとしませんでした。先日(2019年11月4日)トランプ大統領がパリ協定から正式に離脱すると言いだしました。これは、1年後の選挙に備えて米国民の民意を味方につけようとする政治判断です。大国のアメリカのトップの言うことには従わざるを得ないと考えている人が多いのです。私は、このような社会の風潮に対して大きな危機感を持ちました。

1990
年代に、米国のクリントン大統領政権は、情報スーパーハイウェイ構想(HPCC High Performance Computing and Communications)を提唱しました。米国全土に光ファイバーの通信ケーブルを張り巡らし、双方向の高速情報網を構築する計画です。HPCCのコアメンバーには、地球温暖化に警鐘を鳴らすなどの功績が評価されてノーベル平和賞を受賞したゴア副大統領がいました。ネットで遠隔地との会議や買い物や決済ができれば、モノの移動や人の行き来が減ってエネルギー消費が減り、結果的にCO2が削減できるのではないかという狙いがありました。

あれから30年経ち、この構想は見事に実現されて光ファイバーは世界中に張り巡らされてインターネットという名前で現代の生活に欠かせないものになりました。世界では、第四次産業革命が進み、インターネットをさらに高度に活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)が提唱されるようになりました。DXの目的は「ITを浸透させることで、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」とされています。経済成長のエンジンとしてDXを活用したいという意向が強くなりました。

いつの間にか、HPCCが目指していたITを使って地球温暖化の進行を食い止めるという理念が抜け落ちてしまいました。DXが浸透して豊かな世の中になっても、地球温暖化が進んで自分たちが生きることができなくなったらどうするのか。グレタさんは、ここに疑問を持って訴えたのだと思います。私は、グレタさんの主張はこれからの社会を生きる若者の考えを象徴する純粋な意見だと思います。金儲けや経済成長だけがDXのゴールではあまりにも悲しい。彼女の訴えを聴いて、世界のリーダーたちも目を覚ますべきだと思います。

クーラーの効きすぎた通勤電車、大量に配られるコンビニの使い捨てのビニール袋、誰が見ているか分からない真夜中のテレビ放送、ほとんど人が来ない真夜中のコンビニなどなど。私たちの生活の中にもCO2を削減できるものがあるのではないか。私も、もう一度、30年前に戻って、DXというビジネスの分野だけでなく、身の回りの生活を見直すことで、地球温暖化について考えてみたいと思います。

2019年9月27日金曜日

グレタさんの「国連の温暖化対策サミット」での演説

Climate activist Greta Thunberg, 16, addressed the U.N.'s Climate Action Summit in New York City on Monday. Here's the full transcript of Thunberg's speech, beginning with her response to a question about the message she has for world leaders.

ニューヨークで行われた国連の温暖化対策サミットで地球温暖化対策を訴えているスウェーデンの16歳の活動家、グレタ・トゥーンベリさんが各国の代表を前に演説しました。涙ながらに世界のリーダーたちに疑問を投げかけるところから始まります。演説の全文です。

英文がネットに上がっていましたので、原文に戻って読み直してみました。(20190927 廣瀬)


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Greta Thunberg's Speech At The U.N. Climate Action Summit(September 23, 2019 1:58 PM ET)

グレタさんの「国連の温暖化対策サミット」での演説(2019年9月23日13時58分)

My message is that we'll be watching you.

私が伝えたいことは、私たちはこれからあなた方を監視しますよ、と言うことです。

This is all wrong. I shouldn't be up here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet you all come to us young people for hope. How dare you!

なぜなら、あなた方がやっていることは、すべてが間違っているからです。本来なら、私はここにいるべき人間ではないのです。大きな海の向こう側で学校に通って勉強しているべきなのです。あなた方は、私たち若者に希望を与えるために集まっていると言っていますよね。それなのに、良くそんなことが言えますね!

You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I'm one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction, and all you can talk about is money and fairy tales of eternal economic growth. How dare you!

あなた方は、絵空事を言って子どもたちの夢を奪っています。私は、まだ幸運な一人なのです。世界には温暖化のために苦しんでいる人々が、たくさんいます。それが原因で亡くなっている人もいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは絶滅の危機に瀕しているのです。それなのに、あなた方の話すことと言ったら、お金儲けのことや、永遠に続く経済成長という、おとぎ話ばかり。こんな時に、良くそんな話が出来ますね!

For more than 30 years, the science has been crystal clear. How dare you continue to look away and come here saying that you're doing enough, when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.

30年以上にわたり、科学者は極めて明確に地球温暖化という事実を訴えてきました。それなのに、あなた方は、この事実から目を背け続け、切羽詰まった今でも必要な政策や解決の糸口すら見出していないのです。それなのに、この場所に来て”十分にやってきた”となんで言えるのでしょうか。

You say you hear us and that you understand the urgency. But no matter how sad and angry I am, I do not want to believe that. Because if you really understood the situation and still kept on failing to act, then you would be evil. And that I refuse to believe.

あなた方は、”みんなの声を聞いている”、”緊急であることは十分に承知している”、と言います。しかし、その上っ面だけの言葉を聞いていると悲しく、怒りがこみ上げてきます。私はそれを信じたくありません。もし、この状況を本当に理解しているのに行動を起こしていないとしたら、あなた方は本当の極悪人です。だから、私は、あなた方が言っていることを信じられません。

The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50% chance of staying below 1.5 degrees [Celsius], and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.

みなさんは、今後10年間で温室効果ガスの排出量を半分にしようと口をそろえて言っています。しかし、それによって世界の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は50%しかないのです。人間がコントロールできない、決して後戻りのできない温暖化の連鎖反応が始まるリスクが、半分もあるのです。

Fifty percent may be acceptable to you. But those numbers do not include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of equity and climate justice. They also rely on my generation sucking hundreds of billions of tons of your CO2 out of the air with technologies that barely exist.So a 50% risk is simply not acceptable to us ? we who have to live with the consequences.

あなた方は、50%という数字に満足しているかもしれません。しかし、この数字には、気候変動が急激に進んだり、変化が次の変化を呼ぶ連鎖反応が起こったり、有毒な大気汚染がさらに温暖化を進めたり、そして気まぐれな気候変動がありうるという予測が含まれていません。私たちの世代に引き渡される何千億トンもの二酸化炭素を、まだ存在もしていない技術で帳消しにしようとしているのです。私たちにとって、50%という数字は決して満足できるものではありません。そのリスクを背負って、これから、何十年も生きていかなくてはならないのは、若い私たちなのですから。

To have a 67% chance of staying below a 1.5 degrees global temperature rise ? the best odds given by the [Intergovernmental Panel on Climate Change] ? the world had 420 gigatons of CO2 left to emit back on Jan. 1st, 2018. Today that figure is already down to less than 350 gigatons.

”気候変動に関する政府間バネル(IPCC)”という組織が出した最もよい試算では、気温の上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%とされています。しかし、それを実現しようとした場合でも、2018年の1月1日にさかのぼって、地球全体で、あと420ギガトンの二酸化炭素しか放出できないという計算になります。2019年9月の今では、この数字は、すでに350ギガトン未満と減っています。

How dare you pretend that this can be solved with business-as-usual and some technical solutions. With today’s emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone in less than eight and a half years.

”これまでと同じように取り組んでいれば問題は解決できる”とか、”何らかの技術が解決してくれる”とか、良くそんなことを言えますね。今の放出のレベルのままでは、あと8年半も経たないうちに、許容できる二酸化炭素の放出量を超えてしまうというのに。

There will not be any solutions or plans presented in line with these figures here today, because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.

今日、これらの数値を守るための解決策や計画は、ほとんどありません。なぜなら、これらの数値をあなた方は受け入れたくないからです。その現実を、ありのままに伝えられないのは、まだ、あなた方自身が問題の本質を良く理解しておらず、将来について真剣に考えていないからです。

You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you. And if you choose to fail us, I say: We will never forgive you.

あなた方は私たちに嘘をついています。しかし、若者たちはあなた方の嘘に気付き始めています。未来を生きる若い世代の人たちの目は、あなた方に向けられています。もし、あなた方が私たちを裏切るのなら私は言います。「あなた方を絶対に許さない!!」と。

We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line. The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.

私たちは、あなた方を決して見逃すことはしません。今、この瞬間から、あなた方が逃げ出さないように、ここに線を引きます。あなた方が好むと好まざるとにかかわらず、世界の若者たちは目を覚ましており、変化は確実にやってきているのです。

Thank you.

ありがとうございました。

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【原文】
https://www.npr.org/2019/09/23/763452863/transcript-greta-thunbergs-speech-at-the-u-n-climate-action-summit

Greta Thunberg's Speech At The U.N. Climate Action Summit
September 23, 2019 1:58 PM ET

Climate activist Greta Thunberg, 16, addressed the U.N.'s Climate Action Summit in New York City on Monday. Here's the full transcript of Thunberg's speech, beginning with her response to a question about the message she has for world leaders.

My message is that we'll be watching you.

This is all wrong. I shouldn't be up here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet you all come to us young people for hope. How dare you!

You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I'm one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing. We are in the beginning of a mass extinction, and all you can talk about is money and fairy tales of eternal economic growth. How dare you!

For more than 30 years, the science has been crystal clear. How dare you continue to look away and come here saying that you're doing enough, when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.

You say you hear us and that you understand the urgency. But no matter how sad and angry I am, I do not want to believe that. Because if you really understood the situation and still kept on failing to act, then you would be evil. And that I refuse to believe that.

The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50% chance of staying below 1.5 degrees [Celsius], and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.

Fifty percent may be acceptable to you. But those numbers do not include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of equity and climate justice. They also rely on my generation sucking hundreds of billions of tons of your CO2 out of the air with technologies that barely exist.So a 50% risk is simply not acceptable to us ? we who have to live with the consequences.

To have a 67% chance of staying below a 1.5 degrees global temperature rise ? the best odds given by the [Intergovernmental Panel on Climate Change] ? the world had 420 gigatons of CO2 left to emit back on Jan. 1st, 2018. Today that figure is already down to less than 350 gigatons.

How dare you pretend that this can be solved with just 'business as usual' and some technical solutions? With today's emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone within less than eight and a half years.

There will not be any solutions or plans presented in line with these figures here today, because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.

You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you. And if you choose to fail us, I say: We will never forgive you.

We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line. The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.

Thank you.

2019年8月21日水曜日

ノーモア原爆 映画「ひろしま」

先日、NHKのEテレで深夜に放映された「ひろしま」という映画を観た。静かな日常生活を送っていた人たちの頭上に突然、得体の知れない眩い閃光を放つ塊がが落ちてきた。平和な街は地獄に一変する。うず高く積まれた死体の山。マイケル・ジャクソンのスリラーに出てくるゾンビのように皮膚が爛れ、肉が削げ落ちた無数の人々の集団が呻き声をあげて足を引きずりながら廃墟となった街を歩く。

ナチスの脅威に備えてマンハッタン計画を始めたのに、なぜ、ドイツではなく日本に原爆を落としたのか。黄色人種に対する人種差別が根底にあったというタブーも、映画の中ではっきり語られていた。この原発の開発のために世界中から集められたノーベル賞級の科学者の中に、この愚行を止めようとしたものはいなかったのか。人類の希望、平和と進歩を目指して発展してきた科学とは何だったのか。

唯一の被爆国の日本が、なぜ、核兵器禁止条約に反対票を投じているのか、原爆の平和利用という偽善で開発された原発をなぜ止めないのか、放射能汚染を安易に風評被害で片付けてしまっているのか、この無神経さに憤りを感じる。今度、世界大戦が起これば必ず核を使う。人類最大の汚点である原爆は絶対悪。私は、戦争体験はないが、戦争は何があっても絶対に容認しない。

原爆が落ちて傷の癒えない7年後に、人類始まって以来の愚行の記録を残してくれたことに感謝する。この映画は、人類全体の財産。デジタルリマスターの技術でカラー化して、戦争を絶対に起こさないために、世界中の戦争を知らない子どもたち、大人たちに観てもらいたい。

2019年7月12日金曜日

4台玉突き衝突事故現場からの報告

<4台玉突き衝突事故現場からの報告>2001-04-01 特派員 祐二之田仲(南柏在住)

 



それは、2001年4月1日の日曜日の夕刻であった。奇しくも今日はエープリル・フール。しかし、これは、まぎれもない実話である。

昼から夜に差し掛かる夕刻は一番危ない時間帯である。事故発生率が最も高い。その日は、新東京サーキットまでカートのメンテに行った帰路であった。 もう、自宅まで20~30分という場所であった。

国道16号の北千葉インター付近は渋滞してたので、それを回避するため、並行する県道を走っていていた。 四街道市内である。現場付近は全くの直線で数キロは続いている。 上下2車線で極めて見通りは良好な場所である。 信号機も少なく、ポツリポツリとガソリンスタンドやパチンコ店が道端にある程度で、ふだんは混雑しない道である。ツーツーと自然に流れている。

しかし、この日に限って、いつも流れている場所で何故か10台ぐらい車が止まっていた。 たぶん、前方で右折する車があり対向車が途切れるまで待っていて、その為の一時的渋滞と思った。遙か前方なので確認できない。これが、いつも流れている場所が渋滞している原因なのであろうと推測した。この渋滞の最後尾について自分の車は完全に止まった。続いて、自分の後続車も順に止まっていった。

すると、いきなり後方で衝撃音と悲鳴のような叫びが聞こえた。とっさにルームミラー後方を見ると、ミラーの中に見えていた数m離れていた後続車のパルサーが、みるみる大きくなるではないか。 まるで、連続ズームの効くSF映画の特撮に使われているシュノーケル・カメラで撮影した映像を見てるようにアッという間にルームミラーのレンジ一杯になって迫って来た。車間があるので、大丈夫と判断していたが、次の瞬間、ドーーーーン と大きなショックを受けた。

衝突事故の瞬間を目で確認できたレアーなケースであった。大きな音、背後車のズームアップ、追突というプロセスから判断して、玉突き衝突であることは、車中でうずくまりながら解った。

ショックで一時的にじっとしていたが、しばらくしてエンジンを切り、停車処置をして、すぐに車から出て事故処理を始めた。自分の身体は、とりあえず現時点では異常がないのを確かめると、後方の状況を確認する余裕がでてきた。

車外に出ると、すでに後続車とその後の車の運転手が口喧嘩を始めていた。条件反射的な素速い行動である。 お互いに、20歳過ぎの若い人である。

「コノヤローどうしてくれんだー・・・」


わりと常套句での喧嘩である。でも、この惨状を見たら、激怒、興奮、逆上してもしょうがない。 しかし、私の直後の車の、更に後の車の運転手は

「俺じゃない。 後を見てくれ。 俺達もやられた」

と、後ろを振り返る。更に後方に行くとと、加害者とその車があった。加害者を入れて4台の玉突き衝突であった。 被害状況を解説すると、前から言うと、私の車Yは、 後部のみ損傷、変形。2台目のパルサーは前後損傷。3台目のクラウンも前後損傷。 当然、トランクの損傷は酷い。4台目のクレスタ。これが加害車だが前部が極度に損傷していた。

加害者の運転手は歩道にポツンと立って、迫り来る有闇に途方に暮れている。後ろの車の二人の喧嘩は中断する。 どっちも、被害者だから。 しかし、当事者たちは、まだ興奮している。 後ろの運転手に、「ケガはないか?」と聞くと、首をふりふり、「ちょっと痛い」と言う。「ところで、だれか警察に電話してるか」と、声をかけると、加害者の運転手は、「携帯電話が行方不明で、困った」という。

ということで、後ろの2台目の運転手が自分の携帯で110番した。 ここまで、事後処理が進んでいるのを確認して私は車に戻り、デジカメを手にした。 まだ、現場が保持されている内に、4台の車の各々のその前後部をメモリに納めた。 これを見た、加害者の運転手は、「どうぞ撮ってください。かまわず撮ってください」と、なかば投げやり気味に止めようとはしない。

加害者の車まで撮り終えると、加害者の運転手が免許証を自ら 指し出した。 もう、観念したかの様な様子である。 で、これもデジカメのモードをマクロ(接写)に切り換えてメモリに納める。 後で、メモリ転送エラーの可能性もあるので、念のために手書きでも書き留めた。 続けて、自動車任意保険の緊急カードも提示してきたので、これもデジカメで撮った。

加害者は携帯電話がないので保険会社、勤務先に連絡できないと困っている。 しょうがないので、自分の携帯を貸してやった。まったく、何から何まで手のかかる加害者である。 準備万端で事故を起して欲しい。

通行中の一般車は前後で、大渋滞である。二車線県道の片方が修羅場で塞がっているので、長蛇の渋滞である。しかも、4台が不動状態なので約30mぐらいが一方通行区間に化している。そうこうしてると、通りがかりの一般車の運転手が、急に怒号で、「じゃまだから、はやく片付けやがれ!」と、青すじ立てて怒鳴る。

事故に巻き込まれた3台目の運転手が、とりあえず謝るので、ブツブツ言いながら怒号運転手は徐行しながら去ろうとした。 が、対向から来た車と接触しそうになった。 その対向車に今度は「お前は待ってろ」と怒鳴る。 受けた、対向の運転手は、「なんだとー」と、やり返す。 両者出てきて、とっくみ合いの寸前。

怒号運転手の助手席ではその奥方が、「あなた、止めて」と、泣き叫ぶ。 の対向車の助手席では、子型犬が吠えまくり御主人を援護する。

「このやろー、テメー、あなたア止めてえー、ワンワン・・・(以下リピート)」

大騒動の地獄絵図が現場の横で始まった。事故に巻き込まれた3台目の運転手とその助手席の同僚が喧嘩を抑えに入ったので、挙げた拳は夕焼けを受けて天空で止まっている。言葉は迫真の迫力であるが、そう簡単に手は出ないこの国の国民性が如実にでている。

私も仲介と思ったが、リングのゴングは鳴ってないので、格闘前の睨み合いのままにしておいた。そこへ、やっと御巡さんが到着。 原付を止めて、現場処置より先に喧嘩の停止作業に着手した。 さすが、制服の権威で、喧嘩は徐々におさまる。これ以上の格闘騒ぎは起きてはまずいので、事故に巻き込まれた3台目の運転手、同僚両者が、交通整理を始める。なかなか、献身的な若者である。 さっきは、要らぬ謝罪までしている。

御巡さんは、喧嘩の沈静化を達成すると、現場を把握し携帯無線で本署と119番に電話し、交通事故部隊と救急車を手配した。 まもなく、救急車、消防車、事故検分の警察車が順に到着した。 事故に巻き込まれた後ろの運転手は立ってはいられるが、大事をとって救急車に乗りこむ。 周囲の人間が事故に巻き込まれた3台目の運転手、同乗者に病院を促すが、両名とも、それに及ばずといって乗りこまなかった。 やっぱ、大きい車は頑丈か。自分も、今は症状の自覚ないといって現場に残って、ピーポーピーポーを見送る。

これで、スタッフはそろい最も緊急性のある救急処置も済んだので、皆で車を寄せる作業が始まる。 寄せる前には御巡さんがチョークで、現状の車位置にマーキングを施した。 ラジエターの液が垂れてる車もあるが、寄せろと言う。エンジン焼けないかと忠告したが、御巡さん曰く、「数十秒の間だから大丈夫」


事故に巻き込まれた3台目運転手、加害者は、そばの空き地へ退避する。 私と事故に巻き込まれた後ろの運転手は、歩道に乗り上げた。消防車は、車から漏れてる路上の液体の処理を始めた。 自分の所見では、加害者のラジエータ液だけで、油脂類の漏洩はないと思ったが、レスキュー部隊はなにやら白い粉を巻き、ホウキで飛散したガラス粉砕を掃除してる。それに前後して、何やら葬儀屋みたいな雰囲気の作業者がそばに立っている。失礼なことを言って失礼。
それは、レッカー移動の業者の方であった。吊り上げる車の大きさ、形状を見積もっている。 まるで、棺桶を作る際の、体格、長さを調べる仕草の様な感じがした。 だって、動けない車って、死んだも同然ですよね。

現場検証が始まる。 もう、ほとんど暗くなっている。まず、現場で各運転手と交通課警官が立ちあい、路上で検証を始める。最後は自分であった。 これって、取り調べの順序があるのか不明。その後は、個別に個人情報の聞き取りが始まる。 免許証、車検証、強制保険証書、と勤務先、連絡先、今の車の利用目的等を聞く。 この頃は、すっかり夜で寒い。加害車運転者は、One-Boxの警察車の中に拘束されて延々と調べられている。そのルーフには、”事故”って派手なネオンサインが輝いている。よく、事故が有るとお目にかかる、あの事故処理の警察車である。今は、その事故の当事者である。 がっくりしてしまう。車を愛する自分だけに、このように自他の多くの車を壊すなんて、絶対に許せない行為である。みなさん、車の運転はくれぐれも注意しましょう。(T+N+K)a

2019年7月10日水曜日

南柏駅で高齢者が運転するレクサスが暴走

【特派員 祐二之田仲(南柏在住)】
2019年7月9日夜9時ごろ、南柏駅に電車降りてホーム歩いてると、
『グァーン、ガラガラン、ガガーン』という音。が、駅前ロータリーからは離れてるのか、ホームでは見えない。

改札出て、駅前横断歩道を渡ってると、すぐそばには、異様な光景!

駅前の人通りの多い歩道に、レクサスが突っ込んでいた。幸いにも倒れてる人はいない。

撮影しながら、運転手夫婦の会話を聞いてると、

奥様「あなたっ、アクセルとブレーキ、”また”踏み間違えたの?」
高齢運転者「・・・・・・」いつまでも無言。
奥様「ほんと、歩道に人がいたら大変な事になってたのよ、解ってるの!」
高齢運転者「・・・・・・」いつまでも無言。
奥様「あそこに停めていればいいのに、なんでクルマを動かしたの? 」
高齢運転者「・・・・・・」いつまでも無言。
警官が来るまで、何度もこの会話を繰り返されるが、旦那の返答なし。

「いやそんな事はない」とかの否定、「すまん、運転過った」とかの肯定もない。つまり会話になってない。というか、会話が出来てない。

で、表情は、
慌ててる、ガッカリしてる、ショック状態でもなく、無表情、無感動、無関心の状態。
事故で呆然として、会話できないという表情でもない。

高齢運転者は、
自分のクルマの回りをうろうろするだけで、運転席から財布をとったり、どうでもいいことしてるばかりしている。

ぶつけた被害車運転手と会話したり、ケガや被害の確認、突っ込んだ店の店員への謝罪の会話、路上に飛び散った鋭利な破片の処置などの行動すら出来ていない。運転車として当然の、最低限の救護活動、事故処理が出来ていない。無意味にうろうろするだけ。

(警察への通報は奥様がしていた)

まるで、『私のクルマが、何故かこんなとこにいる? 』と不思議がってる挙動と表情である。

たぶん、ペダルを踏んだ記憶もないし、クルマを動かした動機もないのだろう。すべて、意識下になかった。運転事故を起こした自覚もない。そもそも、事故の認識も認知もないのだろう。

典型的な認知症の症状と思われる。

あの歩道を守るポールはかなり頑強な設計のものである。それを、大馬力で高剛性車体のレクサスで、へし折ってしまって、店の柱にぶつかるまで暴走してる。堅い防護のある歩道でも、危険である。危険人物に凶器。もはや、安全なところは日本にはない。

それに、奥様の”また”と言ったのが、恐怖である。2分早く突っ込んできていたら、5m手前にある横断歩道で轢かれていたのは、私だったかもしれない。怖い社会である。(T+N+K)a



2019年3月24日日曜日

薬物事犯者の処遇について

金沢区の2019年3月12日時点の保護観察事案は48件(少年28件)、その中で薬物依存は8件。環境調整事案は、37件(少年4件)、薬物依存は8件。金沢区の保護司は30名で足りていない。

全国の受刑者数は、2008年3万人、2017年2万人と過去10年で、受刑者数は1万人も減っているが薬物依存は、6千人をキープしており、薬物事犯者の割合は、2008年の21パーセントから2017年は28パーセントと上昇している。刑務所出所者の5割は5年後に再入所している。薬物は、どこでも手に入る。ネット以外に売人はたくさんいる。横須賀のどぶ板通りなどには、売人が多い。

・1号観察:少年審判で保護処分とされた少年(保護観察処分少年)
・2号観察: 少年院から仮退院された人(少年院仮退院者)
・3号観察: 仮釈放された人(仮釈放者)
・4号観察:刑事裁判で保護観察付き執行猶予になった人(保護観察付執行猶予者)

■ 薬物を使用したくなる状況 HALT(ハルト)
・Hungry(腹が減っている)
・Happy(うまく行っている)
・Angry(怒っている)
・Lonely(孤独である)
・Tired(疲れている)

■ 薬物を使う理由
・仕事がきつい。徹夜仕事を乗り切りたい
・受験勉強で頭をすっきりさせたい
・風邪の症状を緩和させたい
・結局、依存症って、人に依存できない病気

■ 薬物依存者の特徴
・自己評価が低い
・人を信じられない
・本音が言えない(いつでも大丈夫という)
・不安が強い
・孤独で寂しい
・自分を大切にできない
※本人の言葉を鵜呑みにしてはならない
・薬物依存は、犯罪でもあるが、脳の病気なので病院で治療しないと、なかなか治らない。
・捕まった時に、捕まえてくれて、ありがとうという人が多い
・依存症は刑務所に入るだけでは治らない
・ポルトガルは、軽い薬物使用は非犯罪化

■ 面接時の注意
・信頼関係を作る
・正直に話をしたことを評価する
・「使用したい」は本人の問題解決の当然の帰結、行ってくれたことに、信頼関係ができたと評価する
・できないことを責めるのでなく、できたことを褒める
・支援者である我々が本人の努力を見ていることを伝える
・本人の努力を評価する

■ 専門医師からのアドバイス
・薬物依存症は、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること
・相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
・友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要である
・「犯罪からの更生」というのでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱う
・薬物依存症に詳しい専門家の意見を取り上げること
・依存症の危険性、回復という道を伝えるため、回復した当事者の発言を紹介する
・依存症の背景には、貧困や虐待など、社会的な問題が根深く関わっている
・「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと
・薬物への興味を煽る(あおる)結果になるような報道を行わないこと
・「人間やめますか」のように、依存症患者の人格を否定する表現は用いないこと
・薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと
・逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと
・「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
・ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと
・「薬物使用疑惑」をスクープとして取り扱わないこと
・家族の支えで回復するかのような、美談に仕立て上げないこと

▶当たり前の日常という奇跡 ――横浜大空襲の記憶をたどって

  ▶当たり前の日常という奇跡 ――横浜大空襲の記憶をたどって 5月30日、私は「横浜大空襲と戦後直後のお話を聞く会」という講演をお聴きしました。 1945年5月29日から30日にかけて行われた横浜大空襲では、約4,000人もの尊い命が失われたといいます。何の罪もない市民が一夜に...